皆さん、こんにちは!
元事務のライター、山田です。
「仕事を辞める!」
この覚悟が、一昔前よりはそれほど重たくのしかかってこなくなったこの頃ではありますが、それでも会社を辞めようと決意するのは大変なことですよね。
お恥ずかしながら、私は転職経験が結構ありまして、友人から、
「退職願の書き方、教えて」
と、相談されてしまうほどの、結構な経験者ではあるのですが、そんな私ですら「会社を辞める!}と自分に、そして他人に宣言するのは、結構、勇気がいるものです。
しかし、一度「辞める!」と決めたなら、進むしかないのもまた事実。
今日は退職を決意したら、やっておくべき準備について、お話していきたいと思います。
実はよくありがちなのですが、退職日がなかなか決まらないがために、ずるずる辞められない、なんてケースが結構あります。
大手企業より、中小企業のほうがこの傾向は強いです。
なぜなら、人手が足りないから。
退職すればその分の人の穴が生まれます。大企業ならその穴を埋める人材もなんとか都合できますが、中小企業だと人数も少なく、少数精鋭で回っている会社も多いので、なかなか後任が決まらないのです。
私の先輩の話ですが、退職をしたい、と決意をしてから、実際に会社を去るまでに半年かかったという例があります。これも、後任がなかなか見つからなかったことと、思ったより引き継ぎに時間を要したことが原因でした。
ですので、「辞める!」と決めたら、次の会社の入社日から逆算し、どれくらい実際にかかるのかシミュレーションをし、そのうえで所属会社に退職の意志を伝えたほうがよいでしょう。
「そんな急に言われても・・・」などと上司に言わせないために、
「ここまでは引き継ぎに必要な時間として在籍しますが、これ以上は無理です」と自分の中の揺るがないタイムスケジュールを示すことで、「辞められない」は回避できると思います。
前項のタイムスケジュールの肝にもなるのが実はこれです。
自分の抱える仕事のすべてを引き継ぐのです。どれくらいの時間がかかるのか、概算はできても、なかなか完璧に読み切れません。
けれど、自分の仕事をマニュアルのような形で明文化し、誰もが対応可能な文書に落としてあれば、引き継ぎ期間は大幅に短縮されます。
万一、自分が定めたタイムスケジュール通りに後任が見つからなくても、完璧なマニュアルがあれば、一時的に社内の誰かが肩代わりもしやすいですからね。
ですので、「辞める!」と自分の心の中で覚悟が決まったら、引き継ぎ資料をきっちり仕上げるためにも、会社に退職の意志を伝える前に業務マニュアルの作成は密かに進めておくのがよいでしょう。
実際、引き継がれる側もマニュアルがある状態での引き継ぎの方が、安心して吸収できます。駆け足で口頭だけでの引き継ぎほど、辛いものもありませんから。
辞めるからには綺麗に辞められるよう、引き継ぎ準備は早めに取り掛かることをオススメします。
私は何度か、退職される方のお仕事を引き継がれた経験がありますが、よく引き継ぎを受けて困ったな~と思うことの一つが、「根回し漏れ」です。
お付き合いのある会社様に退職の意図を前任者が伝え漏れていたために、後任がその会社様へ連絡を取ったところ、「あなた誰?〇〇さん(前任者)は?」と不審がられてしまう、というケースです。
不審がるのもわからなくもありません。なにも聞かされておらず、いきなり聞き覚えのある会社から知らない担当者からアポイントが入れば、「誰やねん」となるのも納得です。
この状態は引き継がれた側もきついですが、お客様にも相当失礼であり、会社のイメージダウンにも繋がってしまいかねません。
仕事内容の引き継ぎに終始し、漏れてしまいそうになりますが、関係各所へのご挨拶も、辞めると決めたら必ずやっておくべき、大切な準備です。きちんとリストを作成し、確実に挨拶を済ませましょう。
次の会社への入社タイミングはそれぞれですが、在職中に転職先が決まり、引き継ぎも順調に行っていると、
「これまで頑張ったし、ちょっとのんびりしよっかな~」
と、ついつい思いがちです。
退職する会社での在籍時間が長ければそれだけ有給もたまっていて、有給消化で退職日までまるまる1か月出社もない、ということもあり得ますから、羽を伸ばしたくなるのも当然ですね。私もそうでした^^:
けれど、このぽっかりと空いたパラダイスのような時間をリフレッシュに使うのか、それとも自分を高めるための準備期間とするのか、で転職後のモチベーションが大きく変わってきます。
なので!
面接準備で、転職先の企業研究はされていると思いますが、せっかく時間が空くのなら、今一度、転職先の取り扱っている製品、サービスはどんなものか、自分が配属されるであろう部署ではどんなスキルが必要となるのか、どんな働きを求められているのか、考えてみてはいかがでしょうか。
もし、許されるなら、転職先にどんな勉強を進めておくべきか、聞いてみるのもよいかもしれません。
「Excelのグラフ作成は最低限、マスターしておいてほしいです」など具体的に教えていただけるケースもありますからね。
「立つ鳥跡を濁さず」ということわざを、退職をするたびによく思い出しました。
自分が去った後、後任者が困ることがないだろうか、上司から「この業務、どうやるんだっけ?」と問い合わせの電話が来たらどうしようとか。
でもそんな不安を覚えるのは、自分の退職準備が不十分だった部分が多かったからなのではないか、と反省しています。
時折、私の後任を務めてくれた方と飲んだりすることもありますが、これといって「ここが困りました」と不満を言われたことはありません。案外、気にしているのは去っていく側だけなんだろうか、と思ったりもします。
実際のところはわかりません。けれど自分が迷わず、新しい世界に飛び込むためにも、憂いはない状態にしておくことは大切だと思います。
今日お伝えした退職の前準備が、この記事を読んでくださっている退職を決意した皆さんの憂いを晴らす手助けに、どうかなれていますように。
【ライター:山田 ゆい】