皆さん、こんにちは!
元事務のライター、山田です。
「私って。事務向いてない……」
と思ったこと、ありませんか?
私の周りには現役事務職だったり、元事務職だったりする方が多いのですが「事務向いてないわ~」と言う言葉を何度か聞いたことがあります。
かくいう私も結構な確率で在職中思ってました(;’∀’)
向いていないと思う理由は人それぞれですが、考えられる理由をまとめてみました。
・仕事でミスをした
・人から事務に向いていないと言われた
・同期より仕事ができないと感じた
・毎日の業務に飽きた
・自分の描いていた事務のイメージとのギャップを感じた
実にいろいろな理由があります。
しかし、向いていないと思う理由はさまざまでも、
「もう事務や~めた!」と簡単に言えないのも現実。
ということで本日は、事務向いてないと思ったときの気持ちの切り替え方を考えていきたいと思います!
旦那さんにしょっちゅう言われる言葉にこんなのがあります。
「一つの面から見たものだけが、世界のすべてじゃない」。
私は猪突猛進型と言いますか、一つのことが気になると他のものが目に入らないという困った性質があります。
それは会社員時代も同じで、一点に集中すると全部同じ方向に思考が流れていってしまうのです。
これは事務としては致命的。当時の私の上司もそう思ったらしく、ある日面と向かって、
「山田さんって事務向いていないよね」
と言われました。
上司が言うくらいだから、やっぱり私は事務向いていないのだろう、そう思って落ち込んでいたのですが、この話を、当時同僚だった旦那さんに話したところ、彼はこう言いました。
「君はたった一人の意見が会社全員の意見だと思うの?
俺は君が事務向いていないなんて思ったことはないよ」
と。
この言葉に随分、私は励まされました。
SNSを見ていてもいろんな意見がありますよね。
ある事象に対して、「断固NO!」という方もいれば、「別に良いんじゃないかな?」と言う方までさまざまです。
これは仕事の評価に関してもそうなのではないか、と私は思っています。
誰かが「向いていない」と言ったとしてもそれはその人の意見であり、それ以上でもそれ以下でもありません。それが全人類の総意ではないのです。
ミスをした場合も同じことが言えると思います。
ミスをしたという事実は変わりません。けれど、ミスはただのミスであり、そのミスでこれまでやってきたすべての仕事を否定されて良いものではありません。
「この仕事、向いていない」
と思ったら、そう思い至ったきっかけを今一度振り返ってみましょう。
そのうえで、そのきっかけはこれまでの自分の仕事人生をすべて否定し得るものなのか、今一度考えてみることをお勧めします。
切磋琢磨と言う言葉があります。
お互いに良い刺激になって高見を目指す実に前向きな言葉ですよね。
けれど、人間とは悲しいもので、一緒に頑張って来た相手が自分より前に進んでいるのを見て劣等感を抱くことがあります。
「どうしてあの子はあんなにできているのに、自分はできていないんだろう」
「自分はあの子より劣っているんじゃないのか」
これは事務仕事の現場でもあり得ることで、事務と言うルールがある程度決まった仕事だとスキルの差で仕事の出来が随分変わってしまい、結果、相手と自分を比べて落ち込んでしまう、というのも珍しくありません。
実際、相手が自分よりできている、と思ったときの悔しさは私にも覚えがあります。
けれど、本来仕事とは誰かと競争するためのものではありません。
スピードや精度は大切ですが、誰かと競い合い勝利を収めることが第一目標ではないのです。
だとしたら、誰かと比べて「自分はあの人より劣っているから、この仕事向いていない」と結論付けることに意味はなくなります。
もし今、誰かと比べて自分が「劣っている。だから向いていない」と思っているのであれば、とりあえずその誰かのことを気にするのはやめましょう。
そして、今目の前にある仕事をやり切ることだけに力を注いでみてください。
「向いていない」と考えているエネルギーを仕事にすべて注ぐことで、結果的に相手に差がつくというのも良くある話ですからね。
「事務、向いていない」と思ったとき、あなたの頭の中に浮かんだのはどの作業でしょうか?
入力業務でしょうか?
秘書業務でしょうか?
それとも書類整理でしょうか?
はたまた、来客応対でしょうか?
あるいは・・・・。
というように、事務は実に多くの作業が重なって「事務」と呼ばれています。
「事務向いていないな」と思ったそのとき頭に浮かんだ作業は確かに苦手分野でしょう。しかし、そうでない作業すべてが向いていないとは言い切れないと思います。
「入力は遅いけれど、電話応対は褒められる」とか、
「臨機応変に動くことは苦手だけど、見やすい書類は作れる方だ」というように、事務、という大きな括りの中でも得意分野はきっとあるはずです。
ですからもし、「向いていない」と思ったら、仕事をしている作業すべてが本当に向いていないのかを考えてみましょう。
そうすることできっと、前向きになれるはずです。
また、会社が違えば作業も変わります。
「事務作業全部向いていない」と仮に今思ったとしても、それはその会社における事務のやり方に合っていなかっただけ、ということもあり得ます。
なので、今の会社で「事務向いていないな~」と思ったとしても、事務の可能性すべてを否定しないで、自分のできることの一つの選択肢に「事務」を残しておいてほしいと思います。
いつか転職をしたとき、あなたの「事務」スキルが役に立つこともあるかもしれませんからね。
「向いていない」と思う気持ちは後ろ向きなものに思えます。
しかし、「向いていない」と思った今こそ、実はチャンスなのです。
なぜなら、「向いていない」と思ったということは、自分にとってなにかが足りていないと感じていることの表れだからです。
順調であるときは、自分にとって不足しているものは見えません。たとえ、なにかが不足していたとしても捉えることができていないのです。
対して、「向いていない」と後ろ向きに思っているときは不足しているものが嫌というほど見えます。仕事における問題点が浮き彫りになりやすいとも言い換えられますね。
「入力が遅くて、いつも人より時間がかかってしまう」
というのであれば、入力が速くなるようタイピングのやり方を見直すことで改善が期待できます。
あるいは、Excelにおける資料作成をしたいけれどうまくできない、というのであれば、Excelの主要関数を覚えるなど、スキルを磨けば済む話です。
そういう意味では、「自分は事務向き」と思っている状態よりも、「事務向いていない」と思っている方が伸びしろがあるとも言えます。
現状に満足せず問題点を考えている、ということですからね。
どんな仕事をしていても、「この仕事、天職!」と一生言い続けることは実は難しく、「自分には向いていないのかも」と肩を落とすときもあるでしょう。
でもそれは、それだけ仕事に対して常に一生懸命に取り組んでいるからこそ出て来る思いなのではないかと私は思います。
「もっと良くしたい」
「もっと結果を出したい」
と、上を向いているからこそ、そうなれていない自分を振り返り、苦しくなって「事務、向いていない」という結論に達してしまうのかもしれません。
でもこれはあくまで主観ですが、そう悩める人の方が事務に断然向いている、と私は思っています。
事務は単調に見えて創意工夫が活きる仕事です。つまり向上心がある人でないと務まらないと言っても過言ではありません。
今、ここでこの記事をご覧になっている皆さんは、むしろ、
「事務、向いている人」なのかもしれませんよ。
【ライター:山田 ゆい】