皆さん、こんにちは!
元事務のライター、山田です。
さて、今日のテーマは「好きなことを仕事にするということ」。
皆さんは好きなことを仕事にできていますか?
YES、と答える方もいるでしょう。
でも、NO、という方も案外多いかもしれません。
日本は勤労が義務ですから、成人したらなんらかの仕事に就かなければならず、学校を卒業すると否応なしに社会に出ることになります。
が、私の経験から言うと、学校の卒業も決まって就職活動をしていたとき、あるいは就職をなんとか決めたときでさえ、
「これって本当にやりたい仕事なのか?」
と、自身に問いかけていました。
いや、そもそも、
「私のやりたいことって一体なに?」
とも思っていました。
「好きなことは長続きするから、できれば好きなことに関われる仕事を探しなさい」
とは、大学の就職課の職員の方からのアドバイスですが、
「好きなことねえ・・・」という感じであんまり響きませんでした。
(職員さん、申し訳ない・・・・)
実際、私のように「なんとなく」仕事を選んだ方もいらっしゃるかもしれません。
今日はそんな方に届けばと思い、この記事を書きました。
好きがわからない。天職が見つからない。
そんな方にぜひ、参考にしていただければ幸いです。
これは実はYES、と即座に答えることが難しい問いであると思います。
なぜなら、好きなことを仕事にすることで以下のような感情に支配される場合もあるからです。
・好きなことを仕事にしているんだから、弱音を吐くべきじゃない
・好きなことだからこそ、好きなこと以外もしないとならない葛藤
・好きなことの裏側を知って好きなことが嫌いになる
たとえば、本が好きだから本に関わる仕事がしたいと出版社に入社したとします。
出版社といえば、大体が激務。働き方改革は進んでいるんでしょうけれど、それでも残業がまったくなくなるわけではありません。
でも、好きなことを仕事にしているんだから、疲れたなんて周りの友達に愚痴を言っていいものか、と悩んでしまったり。
あるいは、本に関わる仕事ではあるけれど、社交的ではないのに営業に回されてしまい、その後何年も営業職をやることになる、という状態を想像してみてください。
得意ではないけれど、大好きな本に関われるのだから、と我慢して仕事を続けつつも、心の奥でこれは好きなことを仕事にできているといえるのか、と疑問を感じてしまったり。
また、本を生み出すということは慈善事業ではなく、利益がでなければ意味がありません。そうなってくると、自分はこの本は素晴らしいから世の中に売り出したい!と強く思ったとしても、利益がでないから、という理由で希望が通らないこともままあります。逆に、こんな見るからに面白くなさそうな本なのに、売上が見込めるから売り出すと会社が言い出し、その本のために働かなければならない、というような自らの感情に逆行する行動を強いられることだってあるでしょう。
本は好きなのに、嫌いになりそうな状況ですよね。
そう考えてみると、好きなことを仕事にしたとしても、必ずしもイキイキと仕事ができるというわけではないといえます。
だとすれば、好きなことが見つからない私って・・・と落ち込む必要もないのかもしれません。
好きなことが見つからない。仕事探しに悩む。
そんなとき、やってみるといいこと。
それは狭い場所に目を向けることです。
狭い場所、とは今現在、自分がいる場所から見える景色、という意味になります。
そこへ目を向けてみると、好きなことではなくともやりがいに繋がる仕事を見つけられる場合があります。
では実際に自分が普段生活している風景を思い出してみましょう。
そこはいつもは意識していませんが、実に多くの業種の方によって支えられています。
病院に通院したとき診察してくれるドクター、サポートしてくれる看護師さん。
ドラッグストアの店員の方。
宅配便を届けてくれるドライバーさん。
道路整備の工事をしてくれる人、工事を安全に保つ警備員の方、
はたまた、実際には見たことはないけれど、ネット通販をしたとき、自分の頼んだ品物をピッキングしてくれる人、それを梱包、発送してくれる人、etcetc。
数え上げたらきりがありません。
それだけ多くの人に支えられて私たちの生活は成り立っているんですね。
そうしたあまたある職業のすべての人が自分の仕事を好きかどうかはわかりません。
しかし、その方たちがいるからこそ、私たちは生活ができています。
言い換えればその方たちがいなければ、私たちの生活は簡単に崩壊します。
それくらい、すべての仕事には意味も意義もあるものなのです。
そう考えたら、好きなことを仕事にしていなかったとしても、やりがいがある仕事であるといえると思います。
好きではないけれど、やりがいがある。
誰かの助けになる仕事。
好き、という目線ではなく、誰かのために、と視点を変えて仕事を考えてみるのも、仕事選びの一つのやり方ではないでしょうか。
人間は成長できる生き物です。
そして成長すればするほど、見える世界が広がっていきます。
前章にて狭い場所に目を向けることで、やりがいのある仕事が見つけられる、とお話しておりますが、世界が広がればそれだけ選択肢も増えます。
たとえば、看護や介護の知識を身に付ければ、これまで見えてこなかった病院内での仕事にも目が行くようになり、道がさらに広がります。
また、事務職においても、これまで使ったことのないソフトを使えるようになるだけでも、見える世界は変わります。
極端な例でいうと、これまではお茶を出したり、切手を貼ったり、といった庶務的な仕事をしてきたけれど、Excel知識が増えたことで、請求書や見積書の作成を任されるようになり、どれくらいの利益が会社に生まれるのか、といった営業的な目線が必要な仕事にも関われるようになる、という具合にです。
見える世界が広がれば、それだけ多くの仕事に触れる機会が増えます。
好きな仕事ではないけれど、興味が持てる仕事が見つかるきっかけにも繋がります。
なので、もし仕事選びに迷ったら、世界を広げるためにもできることを増やしてみましょう。
思わぬところから天職が見つかるかもしれません。
好きなことじゃなくてもやりがいや興味の持てる仕事は見つけられる。
ここまでそうお話してきました。
もちろん、好きなことを仕事にするのを否定しているわけではありません。
仕事の見つけ方のアプローチ方法が違うだけで、好きなことから仕事を探す方法だって天職に繋がりやすい方法ですからね。
ただ、「好き」とは実に不思議なもので、長く同じ仕事を続けているうちに「愛着」が沸いてきます。言い換えれば、「好きになってくる」と言ってもいいかもしれません。
なので、今は好きではない仕事だって長く続けていれば好きになることだってあり得るのです。
また、今は好きなことが別になくて、仕事もなんだか続かない、と悩んでいても、日々を積み重ねていくうちに好きなことが見つかることもあります。
私は転職を繰り返してしまった、好きを探して彷徨ってしまった人間ですが、いろいろな仕事をしたおかげで視野が広がり、そのおかげか、今、記事を書く仕事に巡り合いました。
若い頃には見つけられなかった「好き」を40代になった今、見つけられたわけです。
今の社会では20代の初めに人生の方向を決めなければならない空気があります。しかし、別にそれがすべてではありません。
時間をかけて自分が好きなこと、やりがいが持てると思ったこと、興味を感じることを探したっていいんです。
焦るより、日々を大事に過ごすことの方が案外近道だったりしますからね。
【ライター:山田ゆい】