皆さん、こんにちは。
元事務のライター山田です。
このページをご覧いただいている皆さんは、事務をこれからやりたいと考えている方か、事務はやってるけど、ちょっと仕事に疑問を感じている、という方が多いのではないか、と思います。
どんな仕事にだって良いところがあって、悪いところがあって。
やりがいがあって、面倒くささがあって。
と、相反するものがくっついているものですよね。
そうは思っても、事務をしていると時々思い悩むことも実はあります。
「事務、続けてていいのかな」とか
「なんだか事務仕事、私には向いていないような気がするな」とか。。
「事務、あんまりおもしろくないな・・・」とかとか。
私自身、15年事務をして、3年に一度は悶々としていました。(いや、もっとかも(-_-;))
でも、事務って実はものすごい仕事であることを皆さんはご存知ですか?
ということで!本日は、ちょっと事務に疑問を感じ始めている皆さんへ、元事務員の私の経験から「事務あるある」を挙げつつ、僭越ながら事務の魅力を伝えさせいただければと思います。
魅力をお伝えする、と言いつつ、このテーマから切り込むのもどうなのよ、と言われそうですが、これから事務を始めようと思われている皆さんにも「こんな実状も事務の一面だよ」とお伝えすべく、まずはそもそもなぜ私が「事務やってられない~!」ともだえたのか、その理由から先にお話しておきます。
これはおそらく、事務をされている全員そうなのではないでしょうか。
事務は数字や文字との闘いが主流ですが、私もそうで、特に給与計算のときなど、自分のミスが社員の方の生活にダイレクトに影響を与えるかと思うと、「死んでもミスはできない!」と気合を入れなければならないので、ストレスで胃がねじ切れそうになることもしばしばでした。
事務をしていると来客対応も仕事に含まれること、多いですよね。
私も受付をしていたので、顧客からのクレームを最初に受け付けるのが私でした。お客様からのクレームはありがたいもの、と言われているものの、怒り狂ったお客様の感情を受け止め、ひたすら謝罪しなければならない状況を乗り切るには忍耐するしかなく、大変でした。
電話を取るのは事務の仕事。こんな考え方の会社は多いと思いますが、手が離せないときだって当然あります。そんなときですら、なかなか電話を取ってもらえない・・・とか、コピー機の紙切れも気づいた人が補充でもよさそうなものなのに、「山田さん、紙切れてるよ」とか、自分でできそうなことも頼まれる、とか定型業務以外の小さな仕事がいっぱいあることも「ちょっと事務疲れるな~」と思う原因の一つでした。
これは私の問題でしょうが、集中力を高めるのには甘いもの、と昔から信じていて、机の中にチョコやアメを常備しておき、ここぞ!と言う時に食べていたら、退社時は入社時より5キロ太っていました(笑)
事務のマイナス面をご覧いただき、
「あ~・・・わかる」
と思われた方や、
「事務、やっぱり大変そう・・・」
と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
けれど、マイナスに思える部分も実はプラスに転んじられることも。
事務をしていて、まさにその通りだ!と思った私の実体験をお話したいと思います。
完璧な仕事はものすごくストレスがかかります。事務に必要なのは、正確性を保つための精神力と言っても過言ではないかもしれません。
きついし、頭を使ってくたくたになるけれど、その分、すべての処理を終えたときの達成感は他の業種にはないものがあると思います。処理した成果が目に見えてわかりますからね。
そして大事なのはまさにその「目に見えて成果がわかる」という点。
事務はコツコツと処理をすることで他部署を支えていることも多く、事務がミスをすると他部署にも影響が簡単に出てしまうものです。
私自身、営業の方の手伝いで提案書の作成をよく行っていたのですが、あるとき、その提案書を持って商談に向かった営業の方から、こんな言葉をいただけました。
「山田さんの作った提案書がとても正確なうえにわかりやすくて、商談、うまくいったよ。ありがとう」。
事務なんてミスが許されず苦しい、そうずっと思っていましたが、この言葉でずいぶん救われたのを覚えています。
ミスなく行うことは大変ですが、他部署とも関わりの多い事務だからこそ、実は信頼や評価を得やすい業種でもあると言えるでしょう。
「事務は会社の顔」というのはよくある言葉で、私も務めていた会社で社長から常々、教えられたものです。
この教えはどんなお客様にも共通で、それがたとえクレームばかり言うお客様であっても対応に揺らぎがあってはいけない、と誠意を持ってお客様の言葉を窺うように努め続けました。その結果、時間はかかりましたが、クレームから繋がりのできたお客様が、ただの受付である私の名前を覚えてくださり、そのことが上司の耳に入ったことで、事務職である業種を超えて、そのお客様の会社のホームページ作成のお仕事に関わることができました。
事務だったからこそ、そのお客様とも繋がることができた、と思った出来事でした。
前項に繋がる部分もありますが、なにかと雑用に思えることを頼まれるのもまた事務ですよね。ですが、小さな雑用、と思えることも、誰もそれをやらなかったとしたら、困ることがほとんどです。つまりそれは誰かがやらねばならない、求められている仕事というわけです。
皆さんも経験があるかもしれませんが、この小さな、けれど必要な仕事に向き合ううち、言われる前に動けるようになっていきます。相手が求めているものが、事前に察知できるようになっていく、つまり「注意力」が確実に身に着いていくのです。
私の例で言うと、ある製品の展示会に自社が出展することが決まったとき、まだ指示は事務方まで下りてきていませんでしたが、私は念のため、以前、展示会へ参加したとき作っておいた必要物品リストを参考にある程度事前に準備を進めておきました。突然の声掛けにもすぐ対応できるようにと先読みしての行動でしたが、そのおかげで、荷物搬入がスムーズに行え、社長からもお褒めの言葉をいただけ、その後、展示会がある際は、搬入部隊の責任者としてお仕事を任せてもらえるようになりました。
「それくらい、自分でやってよ」と思うことや、「こっちも忙しいときに雑用ばっかり」と思うような、細かな仕事には日々、辟易もしますよね。でもそれでも常に必死にこなしているうち、「多分、これ、また必要になる仕事だな」とか「このリスト作っておいたら後に役立つな」というような先読みのスキルが飛躍的に発達するのは、小さな仕事を数多くこなす機会のある事務だからこその特権なのではないでしょうか。
事務をしていて太ったことをマイナスに挙げていますが、プラスマイナスまさに背中合わせだと顕著に思うのがこれ。
お菓子を常備しているのを営業さんに知られ、そのことから、ちょっとしたときにお土産をもらえるようになったり、お客様からいただいたお菓子を「山田さん好きだから食べていいよ」と言ってもらえたり、と「事務、案外ホクホク!」と何度思ったことでしょう(笑)
事務は正直、地味です。
それほどスポットライトが当たるような仕事ではありませんし、できて当たり前と思われている場合がほとんどです。
でも誰かがやらなければ、絶対に困る人が出てくる仕事でもあります。
それだけに、意外と見ていてくれる人はいて、事務として当たり前に仕事をこなしただけでも「ありがとう」と感謝されるときもちょくちょくあります。
私たち事務は、その「ありがとう」に報いるよう、ミスなく、納期遅れなく、相手の要望を聞き取り、仕事をする義務があるのです。
「なんとなく」事務をしていたら、おそらくそれは難しいと思います。なぜなら、事務とは「自分の頑張りが結果に直結する部分が大きい」仕事だからです。
資料作成を頼まれても、作成に必要なスキルを身に着ける努力をしていなければ、仕事は完遂できませんからね。
などと、偉そうなことを言っていますが、実は、私自身、事務を始めたころはスキルもなく、気遣いも半人前で、毎日できない自分に苛立ってばかりでした。
あの頃を思い出すと、「なぜできないんだろう」「どうしたらできるようになるんだろう」そう自問しながら会社に行っていた自身の姿が脳裏に浮かんできます。
けれど、先輩の教えを受け、OAスキルを身に着け、仕事での振る舞いを見習っているうち、徐々に事務としてプライドを持って仕事ができるようになっていきました。
事務に限ったことではないかもしれませんが、自分を支えるのは経験とスキルなのです。
もしかしたら、私が過去に自分を責めたように、自分の無力を悔しく思っている皆さんが、今この記事を読んでくださっているかもしれません。
もしもそうなら、全然、大丈夫です。
経験もスキルも、身に着けようという意志さえあれば、確実に身になります。
そしてそうやってあなたのものになった経験やスキルが、次のステップへあなたを導いてくれます。
「なんで、できないんだろう」と思った今がチャンスです。
手始めにOAスキルを身に着けるところから始めてみませんか?
「Excelのピポットテーブル使えるようになった!次はマクロにも挑戦しちゃおうかな!」というように頑張れば頑張った分だけ、あなたのキャパが大きくなり、仕事もどんどん吸収できるようになっていきますよ♪
【ライター:山田 ゆい】