皆さん、こんにちは!
元事務のライター山田です。
いきなりですが、私はおそらく皆さんが引くくらい、スポーツが不得手です。
バスケをすれば、ドリブルが下手過ぎてすぐに相手に取られるし、
バレーでレシーブをすれば、ボールがあらぬ方向へ飛んでいっちゃうし、
ソフトボールで「今、ここで打てば、勝利確実!」な場面では確実に打てないし。
そう、まさにボトルネック!です。
ボトルネック = ある作業や仕事において、そこが原因で結果が思うように振るわなくなること。
早い話が足手まといです。ウィークポイントです!
自分が皆の足を引っ張ってると自覚するのも悔しいですが、自分だけでなく、周りからも、「あの子のせいで勝てなかった」と思われるのもまた、胃がきゅっとなるくらい辛いものです。
しかし、これは学生時代の体育の授業だけでなく、仕事においても起こりうる事態かも。
今日は仕事の現場でボトルネックと思われてしまうのはどんな状況か、についてと、それを踏まえボトルネックにならないためになにができるのか、を考えてみたいと思います。
ボトルネックとは、主にIT業界で使われることが多かったのですが、ITとは無関係の業界でもここ最近使われるようになった言葉です。
もともとは英語のボトル(bottle)に首(neck)が合わさってできたもので、瓶を逆さにして、水を外へ出そうとしたとき、瓶の首の部分は、括れていない他の部分に比べて流れる水の勢いが弱まり、流れ落ちる水の量も少ないことから、作業をしていて、ある特定の事象が理由で作業が遅れたり、成果物に不備が出たりしたときに、その要因となった事象を称して、「ボトルネック」と言うようになったそうです。
実にわかりやすい表現ではありますね。
いろいろな業界で使われている「ボトルネック」というワードだけど、事務なら、一人での仕事が多そうだし、当てはまらないのでは?と思いたいですが、そうとも言い切れません。
なぜなら、「事務はコツコツ、一人作業」とばかりは言えないのが事務の現状だからです。
スポーツができない、と先ほど、カミングアウトしましたが、お恥ずかしい話ながら、仕事でも昔、ボトルネックと言われていたことがあります。
ちょっとした黒歴史ですね^^:
それは今から十年以上前、事務を始めたばかりのころです。
数人いた事務の方全員で、大量のアンケートを入力、解析する仕事をしていました。
何万件あったでしょうか。詳細な数値は思い出せませんが、すべての入力が終わらないとデータ解析が始められないため、事務担当全員で手分けして入力をすることとなりました。
当時の私の入力の腕前は、キーボードを打てなくはないけれど、まだまだ遅い状態で、正直、不安いっぱいでした。でも、一人当たりの処理量は容赦なく人数で割られて決められていたので、とにかく入力するしかない、と腹をくくってパソコンに向かいました。
しかし、やっぱりそこはまだまだひよこ事務員の限界、他の方のスピードには到底かなわず、他の方が自分の担当を終える中、私だけがまだ入力を続けていました。
このときの気持ちはまさに、学生時代のスポーツで皆の足を引っ張ってしまったときのあの気持ちと同じでした。
「私のせいで、仕事が止まっている・・・」
面と向かって、「山田さん、仕事遅いね」と言われたり、「山田さんのせいで終わらなくて帰れない」とか言われたわけではありません。けれど、そう思われているのではないかと、妄想するだけでいたたまれず、キーボードを押す手が震えました。
このときの私はまさにボトルネックそのものだったと思います。
けれど、そんなとき、私の指導係の先輩からかけられた言葉が、ボトルネックになるのはなぜなのかを教えてくれたのです。
「どうしてその仕事を自分だけの仕事だと思うの?」
指導係の先輩からかけられた言葉に、私は大層驚きました。決まった分量を等しく皆で分配したのです。与えられた分は自分の責任で終わらせる仕事でしょう。
そう思った私に、先輩は続けてこう言いました。
「あなたが入力を終えることが、仕事の完了じゃない。全員の入力を終えて、解析に回すことが私たちの仕事でしょう。できないのにできないと言わないのは、あなたの自己満足だと思うよ」
頬をひっぱたかれるくらいの衝撃を受けた一言でした。
仕事とは一人で行うものではありません。私の経験のように、複数の事務社員で一つの仕事を完遂させる場面も多々あります。
そんなとき、自分の技量や不安要素を隠したまま、あるいは進捗の遅れを伝えないまま、続けていたのでは、結局、ゴールに辿りつく時間が大幅に遅れてしまいます。
「チームで仕事をしている」
この意識が欠けてしまっていたからこそ、私はボトルネックだったのです。
私の実体験から、ボトルネックの要因をお話しましたが、ではどうしたらボトルネックにならないで済むでしょうか?
要因を思い浮かべつつ、まとめてみました。
もしも、周りとのコミュニケーションを密に取り、作業上の不安や、問題をもっと早くチームメイトと共有できていれば、作業はこれほど遅れなかったでしょう。
「一人の仕事と思うな」。先輩の言葉は見事にこれを表しています。自分の成果よりも全体の成功を一番に考え、周囲の進捗も把握しながら行動すれば、たとえ遅れが生じていたとしても手を打てます。技術力が不足していると感じているなら、なおのこと、周囲との調和を重んじる努力が必要かと思います。
コミュ力不足もさることながら、周りと自分の間で圧倒的に差が開いてしまっている状態は、ボトルネックに陥りやすい最たる要因と言えるでしょう。そもそも同レベルの戦力の中で、自分だけが桁外れに劣っていたら、どうしたってそこでは作業量を減らすなり、対策を講じなければならず、仕事をする中で「穴」になりがちです。
そうならないためには、なにはともあれ、技術力を向上させるよう、日々勉強をするしかないと思います。
事務が手っ取り早く能力強化を望むなら、入力スピードを上げる練習をするほか、Word、Excel、PowerPointなどの使い方を一通り身に着けるのがスキルアップに効果的ではないでしょうか。
これはリーダー的立場の方が、検討すべきことかもしれませんが、実はボトルネックを生じさせる原因には、作業工程がそもそも合理的ではない、という場合も案外多いです。
Aという作業があって、Bという作業があるとします。BはAが終わらないと取り掛かれませんが、Cという作業はAと並行して行うことが可能です。
このような状況なのに、CをA、Bすべての作業が始まってから行うように作業フローなっていたりすると、それだけでタイムロスになります。Cの作業を担当をしていた人は、フロー通りにしていただけなのに、Cの作業が遅い、と思われてしまって、ボトルネック扱いされてしまうケースも。
ですから、ボトルネックを生まないためには、無駄なく、スムーズに作業を完遂できるよう、適切なフローを立てることが不可欠と言えるでしょう。
ボトルネックはならないに越したことはないですが、一つだけ、ボトルネック扱いされてよかった、と思った点があります。
それは、自分の無力を思い知れたために、成長の機会を得られた点です。
自分の力のなさを思い知るのは気持ちの良いものではありません。けれど、実際に自分の実力がどれだけ周りと比べて足りないのか、戦力になれないほど微力の力しか持っていないのか、現状を把握しなければ「変わりたい」「変わろう」と言う気持ちは沸いてこなかったと思います。与えられた仕事をなんとなくこなせてしまっていたら、「まあ、これでいっか、私は」と進むのをやめてしまっていたかもしれません。けれど、幸いにも私は自分に技術がないと思い知ることができ、スキル不足を解消するための努力に踏み出せました。
「自分は足手まといかも」。
皆さんの中でもしこう思っている方がいらっしゃったとしたら、成長へのとっかかりはできたも同然です。足手まといにならないようにどうすれば良いか、なにを身に着ければいいか、考えて行動するだけです。
「ピンチはチャンス」という格言がありますが、これと同じ考え方です。
「ボトルネックなんて呼ばせるか!}と言うくらいの気持ちで、成長のための一歩を踏み出してみませんか?
【ライター:山田 ゆい】