こんにちは!
元事務のライター、山田です。
突然ですが、みなさん、「普通」ってどういう状態だと思いますか?
普通・・・。
一般的。逸脱していないもの。どこにでもあるもの。ありふれたもの。
言葉の意味としてはこの辺りでしょうか。
ちなみに我が家ではこの「普通」が多用されます。
主にうちの旦那さんによって!
「ちょー!普通、シチューの日はパンじゃなくて白米でしょー?」
「ねえねえ、トイレットペーパーの予備切れてたら、切らした人が補充しておくのが普通じゃない?」
「このドラマさ、主演の女優、ほんと、普通の人だよねえ」
普通普通うるさいんじゃ(# ゚Д゚)
まあ、トイレットペーパーの件だけは謝っておいてやる!!悪かったな!
と・・・つい我が家の一コマをお話してしまいましたが・・・。
普通って言葉って「当たり前のこと」という意味で使われる一方で、そうでない状態と比べて「個性的じゃない」とか「つまらない」とかそういう意味でも使われることもあって、正直、扱いに困る言葉だな~と思います。
普通って、受け取り方によって全然変わるし、正直面倒な単語ですね。
それをよく表す逸話としてこんな話があります。
日本と欧米におけるプレゼントの受け取り方についてです。
日本ではプレゼントを受け取ると、包装紙を丁寧に剥がし、剥がした後も丁寧に折って保存することが普通、とされています。いただいたものを丁寧に扱うという感覚ですね。
一方欧米では、もらったプレゼントを包む包装紙を盛大に破いて、一刻も早く中身を取り出す、というのが普通とされています。これは中身を見るのが待ちきれないほど楽しみ!という姿を表す行動で、ごくごく自然なもののよう。
普通って言っても国や、環境や、それぞれの人の感覚でも違うので、自分と違う行動や考え方だからってそれが誤っていると決めつけるのは良くないことと言えるでしょう。
しかし、困ったことに、そんな厄介な「普通」が問われることが事務の職場では結構あるんです。
今日はそんな事務の現場における「普通」について考えてみたいと思います。
事務になりたてのころ、先輩からこう言われました。
「事務は普通、ニュートラルでなければならない」
にゅーとらる?
と、言われてすぐはきょとん、でしたが、その後の先輩の説明で、なるほど、と思いました。
「ニュートラルは中立的。どこにも肩入れしないってこと。あくまでルールにのっとって、冷静に仕事をするってこと」
確かに、事務は書類やデータをもとに規則的に作業をこなすことが多いです。そんなときに、自分の主義主張で勝手に規則を捻じ曲げるようなことがあっては、仕事の完成度が個人によって大きくばらついてしまい、事務として役目を果たしているとは言えません。
ニュートラルであることは、事務にとって普通でなければならない状態と言えるわけです。
これも昔先輩から言われた言葉です。
事務は複数の部署の方や、様々な役職の方、あるいは取引先のお客様と接する機会が意外に多く、別々の立場の人の間を取り持つこともあるポジションです。
まあ、例えるならば、ジョイントみたいなものですね。
家具を組み立てるときとか、縦の棒と横の棒をうまく接合するために使用する接合部品ありますよね。あれみたいな感じです。
そんな立場の人間があまりにTPOをわきまえていない対応をしてしまったら、どうなるでしょうか。
事務によって繋がれるはずだった別々の立場の人々がうまく連携できず、本来達成できるはずだった仕事も円滑に進まなくなってしまいます。
ひどい場合だと、会社全体の信用にかかわるようなことにもなりかねません。
家具とジョイントに例えるなら、接合部分がポンコツだと、他の部品にもひずみが出て、家具全体が軋む、というイメージですね。
その場の空気を読み解き、それに適した対応を取れる順応性も普通の事務に求められる重要な素養と言えるでしょう。
事務になりたてのころ、悩まされたのがこれです。
事務の仕事はパソコン操作が主です。
ゆえに、
「事務なら普通、パソコン使えるよね?
Word、Excelで困ったことあったら事務さんに聞けば普通、わかるよね?」
みたいに、職場のおじさまにパソコン操作を尋ねられることも少なくありません。
なのに、
「ええと、これは・・・ちょっと、どうやってやるんだろ・・・」
と、おたおたしてしまったりすると・・・。
「えええ?事務さんなのにパソコンわかんないの?」
なんて言われてしまうことも。
なので、事務をするならWordやExcelといった基本ソフトは使えるようにしておかないと、普通の事務カテゴリーからこぼれてしまうかも。
・中立性を持つ
・空気が読める
・パソコンスキルがある
とこれだけそろっていれば事務として完璧かと言うと、昔ならそれでよかったのが今はそういうわけにもいかないのが現状です。
むしろ、これらの条件はできていないと問題外、プラスアルファなんらかの知識なり、技能なりがあることが優れた事務と呼ばれるためには必要になっているよう。
Word、Excel、プラス経理知識、みたいに。
とはいえ、先に挙げた三つの条件ができるようになっていなければ、いくらプラスアルファの技術が優れていたとしても、「事務としては普通以下」と言われてしまう職場も存在します。
ぶっちゃけ、私は普通と言う言葉は嫌いです。
けれど、自分の個性や能力を会社に認めてもらうために普通であることが最低限必要である以上、普通を避けては通れません。
そもそも大事なのは、普通を極めた先、自分がなにをやりたいのか、です。
やりたいこと、会社で花開くことのためのスタートライン、それが事務の普通を極めた先にあるのではないか、そんな風に思うのです。
事務として、もっともっと輝くために、事務の普通、極めてみませんか?
【ライター:山田ゆい】