皆さん、こんにちは!
元事務のライター、山田です。
さて、本日はビジネスチャットの話。
ここ最近、リモートワークも定着してきて、在宅で勤務されている方も増えてきました。
それと同時にビジネスチャットを活用する企業も増加していますね。
チャットといえば、一番身近なチャットとしてLINEが挙げられます。このLINEの使用率を調べた2020年7月のICT総研のアンケートによると、アンケート対象者4,000人のうち、LINEを使用しているのは全体の77.4%だったと発表しています。
つまり、チャットとは8割弱の人にとって日常的なものとなった、というわけです。
この日常的になったチャットが仕事の現場にもどんどん入ってきたわけですが、実は気を付けないといけないことが結構あります。
今日は私の失敗を含め、ビジネスチャットにおいてやらかしてしまいがちなミスについてお話したいと思います。
はい!多分やらかして一番まずいのってこれじゃないでしょうか。
誤爆!!
ようするにビジネスメールでもある、誤送信のことですね。
さまざまなチャットツールがありますが、片側にずらりとアカウントが並んでいて、その中の一つをクリックすると、そのアカウントとチャットが可能、というタイプが多いと思います。
あのずらっと並んだアカウント。自分で並び替えができるタイプのものもありますが、一度使用したものが上に来る、LINEタイプのものが多いのではないでしょうか。
つまり、意外と順不同。
だから、結構間違えて送信しちゃうことも・・・。
やらかしたな〜!と思ったのは、社内の仲間同士でビジネスチャットをしていたときのこと。
田中さんという方とビジネスチャットをしていました。
お恥ずかしい話ながらちょっと業務外の話までしてしまっていたんですね。
「駅前に美味しいパスタ屋さんができたみたいだよ!」
「ランチに行こう!」
「昼くらい美味しいもの食べておかないと午後から田川さんのお小言乗り切れないから」
「わかる〜」
的な。
田川さん(仮名)は上司に当たる人で、私はよく田川さんに小言を言われていました。
と、そんなとき、電話がかかってきてチャットは一時中断になりました。
電話を終えると再びチャットに戻ります。
「田川さんからだった〜。なんか忘れ物したから届けてって。人には忘れ物多いっていうのにね〜」
「・・・申し訳ありません」
反応がおかしい。そう思って確認して青ざめました。
田中さんのチャットに話をしているつもりが、田川さんのチャット画面を開けて話してしまっていたのです!
田川さんに向かって田川さんの愚痴を言ってしまったという。。。
仕事中に無駄話をしていた私が100パーセント悪いですし、上司の陰口なんて良くありません。
この件は平謝りしてなんとか田川さんには許していただきましたが、これが外部企業への連絡など、機密情報に関するような会話だったとしたらどうなっていたでしょうか。
恐ろしい話ですが、現実にあり得る話でもあります。
くれぐれもご注意を・・・。
チャットとは英語から来た言葉で「雑談」などとも訳されます。
確かにタイムラグがそれほどなく、ぽんぽんとテンポよく意思疎通ができるこのツールだとメールでは膨らみにくい会話の花も膨らみますよね。
しかも相手の顔が見えないのがかえって良いのか、なんとなく普段よりも気易く声をかけやすい面もあります。
ちょっとした顔文字やスタンプが搭載されているので、文字を打つより早く相手に気持ちを送れますしね。
こうした、「スピード感」や「気易さ」は、メールや対面にはないチャットのメリットだと思います。
が、しかし!
それゆえに気をつけなければならないのが「壁の低さ」です。
会話のようにぽんぽんと進むチャット。
相手が使ってきてくれたからこちらもスタンプを送っていいかな、と心の距離を目に見える形で測れるチャット。
とはいえ、チャットでの気易さがイコール、実際の人間関係になるわけではありません。
わきまえておくべきところはわきまえておかないとならないのです。
実際、私自身がビジネスチャットで失敗した経験として以下が挙げられます。
・取引先相手の人とチャットで仲良くなり過ぎ、実際に会ったとき、厳しいことを言いづらくなった。
以前、取引先の人が同郷で、「私たち名古屋人はケチかもしれませんが、仲間は大切にしますよね〜。意外とおおらかな人も多いし」なんて話で盛り上がったことがあります。
が、数日後、取引先が大きなミスをし、私はそれを咎めなければならなくなりました。チャット上にて大らかな人イメージがある私が!
仕事は仕事なので言いましたが、正直、その後はチャットのやり取りもちょっとやりにくいなあと感じてしまいました💦
仲良くなることが悪いわけではないのですが、人間、仲良くなった人間に厳しいことってなかなか言えないものです。チャットであっても線引きは必要ですね。
・後輩とビジネスチャットをしていて話が弾み過ぎものすごく遅い時間まで話し込んでしまった結果、「あの、そろそろ寝ていいですか」と後輩に言われた。
これも先ほどの例と近いですが、距離を詰め過ぎて相手の状況に気を回し切れず、相手に不快な思いをさせてしまった例です。
特にビジネスチャットの場合、気軽に短文で疑問を相手に投げられるため、ついつい思いついたらすぐ聞いてしまいがちです。
相手のことを考えたら、時間帯、質問頻度は注意すべきなのに・・・。
本当にお恥ずかしい限りの失敗でした。
前章でもお話しましたが、チャットとメールの最大の違いは、ちょっとした質問でも躊躇せずしやすいところです。
「見積書できた?」
「できました」
見積書の作成状況を聞きたい、と思ったとき、メールだと上記のような短文で聞くのはなんとなくはばかられます。
しかしチャットだと短文で聞いてもそれほど失礼に当たりませんし、答える側も面倒な挨拶を省いて返事をしてもそれほど失礼に当たらなかったりします。(もちろん関係性にもよりますが)。
なにより速い!
面倒な挨拶文がいらないから返信もしやすい!
万能ツールじゃん!とちょっと思います。
しかし・・・。このスピード感が地味に心を蝕みます。
すなわち、簡単に送れる、すぐ返せる=すぐ送らなきゃ、すぐ返さなきゃ、だと自分に呪いをかけてしまうという・・・。
もちろんメールだってそれほど待たせていいというものではありません。ですが、メールとはそれなりに返信に時間がかかるものと自分も相手もどこかで思っているツールではあります。
その点、チャットは違います。手軽ですぐに返事ができるもの、と思っているし思われている。
これはかなりきついです。
チャットが届いたらすぐ返事をしなきゃ!という強迫観念に駆られてしまうためです。
実際、仕事をしていてチャットの返信が遅れるとメールで遅れたとき以上の申し訳なさに心がきゅっとなるようになりましたし、相手からなかなか返信がこないと、「なぜに?」と思ってしまったり。。
そもそも相手の都合を思いやるのがビジネスの基本なのに、「遅すぎないか」と感じなくていいイライラを感じたり・・・。
これはビジネスチャットの罠の一つといってもいいでしょう。
思いついたらすぐ相手に連絡が取れるビジネスチャットの問題点として、「論点を明確に伝えにくくなる」があります。
メールであれば、そう何度も何度もやり取りするとメールソフトがメールであふれかえってしまうので、そうならないよう、ある程度まとめて送るようにします。
たとえば、先日の打ち合わせの資料への質問、見積書の作成状況の問い合わせ、別件のイベント日時の確認といった3つについて連絡をとりたいとき、メールであれば箇条書きにして一つ送って終了、返信も一つにまとめてそれで終わりもできますが、チャットだと、
「おつかれさまです」
「おつかれさまです」
「先日の打ち合わせでいただいた資料について確認したいことがありまして」
「どういった内容でしょうか?」
「実は・・・」
というのが何回か繰り返され、すべての確認が終わった後、「そういえば一番最初の打ち合わせの話、どうだったけ?うわー履歴さかのぼって確認しなきゃ」と膨大な会話内容を振り返る、なんてことも珍しくありません。
便利だからこその問題点はやっぱりある、というところですね。
あくまで私自身の経験からですが、これまでお話してきたビジネスチャットの問題点を踏まえ、心掛けていることをお話したいと思います。
・メール同様、宛先の確認は徹底する
・ビジネスチャットでビジネスに関係ない会話は避ける
・メールと同じように要件はできるだけまとめて、一つのチャットで簡潔に済ませる
・ビジネスチャットもメールと同じであると考える
上記4点に共通することは、「チャットであってもメールと同じくビジネスツールであることを忘れない」です。
当たり前といえば当たり前なのですが、便利過ぎてすぐ心の距離も時間も縮めてしまうビジネスチャットだからこそ、これはビジネスで使用するもの、という認識は強くすべきだと考えます。
また、チャットの使い時を見て使う、というのも大切かと思います。
なんでもかんでもチャットで聞くのではなく、メールと併用し、重要な要件をメールで送っておいて、「メールでまとめてお送りしました。ご確認をお願いします」と念押し用にチャットを使う、というやり方の方が効率的な場合もあります。
それぞれの会社風土にもよりますし、一概にはいえないところかもしれません。
が、今や連絡ツールはごまんとあります。その中でビジネスチャットがどのシーンであれば力を発揮できるのか、考えながら使用することも大切なのではないでしょうか。
【ライター:山田ゆい】