皆さん、こんにちは!
元事務のライター、山田です。
「事務職椅子取り合戦!」の記事でも語られているとおり、事務職人気が上昇している今日この頃。
この記事をご覧いただいている皆様も事務職希望の方が多いのではないか、と思います。
とはいえ、事務って小さな会社だったら一人しかいなかったり、大きな会社でも営業マンより数は少なかったり、あるいは、パートや派遣での雇用がされやすかったりと、正社員での採用、となるとやっぱり狭き門。
しかも、事務職の厄介なところは、
「面接のとき、志望動機を聞かれても困る!」かも。
おそらく、事務をやろう、と思う理由はの多くは、
「営業や、企画といった仕事は難しいけれど、事務ならなんとか」
や、
「事務なら、プライベートとも両立てきそう」
あるいは、
「縁の下の力持ちとしてサポートする側に回りたい。それには事務がいい」
など、
なんだか奥ゆかしい感じになってしまい、面接で言ってもあまり新鮮さがないイメージがあります。
じゃあ、どう言えば企業に響く志望動機になるのでしょうか?
今日はその辺りを考えてみたいと思います!
以前勤めていた会社で、人事の仕事にも関わっていたのですが、そのとき、事務で面接に来られた方の中で、
「これは・・・さすがに受からない・・・」と思った事例をまずお伝えしますね。
「事務であれば、自分でも役に立てると思い」
「コツコツする仕事が向いていると思ったので」
「定時に帰れるので」
これらの志望動機が間違っている、というわけではありません。
ボランティアではないので、自分のできることをやりたい、できる範囲で、それは掛け値なしの本音でしょう。
しかし、これを聞いた企業側はどう思うのか。
実際、人事部の上司はこのように言っていました。
「事務であればって、事務をなめてるのか」
「コツコツするのが好きかあ・・・。事務はコミュニケーション問われるけど、そこ大丈夫なのかね」
「忙しくても、協力はしてもらえないということかね・・・」
厳しい・・・。
けれど、これも本音なのですよね。
だって、悲しいかな、これらの志望動機は「自分しか見ていない」ように見えてしまうから。
「自分には、これができるから」
「自分はこれが好きだから」
「自分はこうしたい」
大切なことです。けれど、事務職に一番求められるのは
「周りを見て判断する力」
だと私は思っています。
だからこそ、「今の自分」しか見えない志望動機はマイナスに思えてしまうのです。
「自分はこれができる。だから、これを会社のために活かしたい」
と、ビジョンを見据えた志望動機を組み立てることで、企業側も
「入社したらなにかやってくれそうだ」という気にもなりますからね。
企業が求める事務、とはどんなイメージなのでしょう?
・Excel、Word、PowerPointなど、事務系ソフトの高いスキルがある
・周りとの調和が取れ、他者を気遣うことができる
・積極的に仕事に取り組むことができる
この辺りが一般的かと思います。
ただ、ざっくりと挙げたたものの、細かく見てみると、各企業によって求める人物像は異なってきます。
たとえば、大企業で業務の一部である入力部分を担う事務を募集しているなら、当然、タイピングスキルが必要になりますし、中小企業で事務が一人しかいない事務所における事務員であれば、労務、経理、営業事務など、複数分野の知識を有するオールマイティー型が望ましいはずです。
日本には420万の企業があると言われていますが、企業ごとに事情も求める人材も異なります。
ですから、志望動機を考える際は、応募した企業がどんな会社であり、どんな人材を求めているのか、想像することが大切かと思います。
大企業の人事部の応募なら、おそらく人事という部署ゆえに、かなり多くの方と接するようになるでしょうから、当然、コミュニケーション能力は必須ですよね。
また、人事ですから労務知識が求められることも考えられます。
それを踏まえて志望動機を組み立ててみましょう。
「労務、経理につきましては、前職で幅広く携わらせていただいておりましたので、問題ないかと思われます。また、労務について言えば、各ご家庭に関わるような機微な情報についても扱っておりましたので、個人情報保護士の資格を取得して知識を深め、社員の方に安心していただけるように対応をしており、その甲斐あってか社員の皆様からご指名でご相談をいただけるようになりました。その経験と知識を御社でぜひ、役立てたいと思い、応募させていただきました」
のような形でお伝えすることで、
「人事としての知識」
「責任感」
「他者からの信頼の厚さ」
をアピールでき、採用担当の方にも好印象を与えられるのではないかと思われます。
一方中小企業の、営業アシスタントから秘書、庶務までなんでもこなすようなタイプの事務の応募の際は、
・器用さ
・人当たりの良さ
・タフさ
が求められることが予想されます。
そうであれば、
「前職でも部署にこだわらず、営業の方と共に展示会での商品説明を行ったり、アポどりの電話をかけたりといった営業活動も行っておりましたが、おかげさまでお客様からも高評価をいただけ、とても嬉しく思ったのを覚えています。また、事務として社員の方が安心して業務ができるよう、正確性とスピードを第一に心がけていたことも、誇りに思える部分だと思っています。確かに大変な部分もありましたが、このようにてきぱきとこなすことができる環境でこそ今後も働きたい、御社であれば、と思い応募させていただきました」
このように語ることで、
「フットワークの軽さ」
「人当たりの良さ」
「積極性」
などが人事の方にも伝わるのではないかと思われます。
ようは、その企業にとって、どんな人材だったら採用したいと思うかと想像し、自分をそのイメージに近いと思わせられるよう、ストーリーを持たせて語れること、が大切ということなのですね。
「企業が求める人物像を演出すると言っても、そんな盛れるほど元がないんだよおお!」
と言う声もあるかもしれません。
確かに、ないものを盛るのは難しいですよね。。
でも、がっかりするのは早いです。
今は確かに知識やスキルがないかもしれない。
けれど将来はわかりません。
スキルは身に着けられるのですから!
当然、事務ですからWord、Excel、PowerPointの三種の神器は求められる可能性があります。
だったら、その中の一つでもいい、そこそこ使えるまでになってみませんか?
ここで大切なのは、WordなりExcelなりPowerPointなりの技術が身に着くこと、では実はありません。
「ないスキルを、ないから身に着けようと努力した」
「自ら、学ぼうとチャレンジし、達成した」
この事実です。
日本に企業は420万あるとお伝えしました。
それぞれいろいろな風土や考え方があると思います。
けれど、「自ら考えて成長ができる社員」を求めている企業は相当数あると思われます。
実際、新卒採用のバイブルとも言うべき、就職四季報を見ていても、
「自ら考え、挑戦できる人」を求める人物像欄に記載している企業はかなりの数ありました。
企業が求める人物像に見せるための志望動機、それに一番入れ込むべき文言は、
「成長するために、努力した」
その事実なのではないでしょうか。
もちろん、努力がすべてをカバーするとまでは言いません。
しかし、人事部での経験上言えるのは、未経験でありながらも、努力が続けられる人間であることをアピールできた方が、採用される確率は高かったということです。
志望動機、なにを書いていいかわからない。
そんな迷いをお持ちの皆さん。
もしかしたら迷っている今だからこそ、企業をぐっと来させる志望動機が生まれるチャンスなのかもしれません。
【ライター;山田 ゆい】