皆さん、こんにちは!
元事務員のライター、山田です。
さて!今日のテーマは「お局」!
まずは「お局」の定義について、お話していきましょう。
皆さんは「お局」と言うとどんなイメージをお持ちですか?
・社歴が女子社員の中でもっとも長い
・社内で知らないことはないオーラが出ている
・気分屋
・口うるさい
・面倒くさい
このあたりでしょうか。
うーん、途中から完全に悪口ですね(笑)
ちなみに、辞書で「お局」を調べてみました。
『おつぼねとは職場を仕切る古参の女性社員を意味し、お局と書く。おつぼねは「意地悪」「口うるさい」といった意を含み、そういったOLを嘲ったり、侮蔑する際に使われることが多く、尊敬する先輩OLに使われることはほとんどない。また「おつぼね=行き後れ(婚期を過ぎても結婚出来ずにいる女性)」というイメージも強く、多くは独身の古参OLに使われる。』(出典:日本語俗語辞書)
あんまり良い意味では使われないようですね。
しかし!
さらに辞書の続きを見てみると、お局の意外な真実がわかりました。
『お局という言葉自体は、宮中や江戸時代の大奥などで「局(仕切りで隔てた個室)を与えられた女官(女中)」として古くから使われている。ただし、当時のお局(御局)は指導的立場にあったものの、現在のように悪い意味はなく、単に階級的なものであった。おつぼねが悪いイメージを伴い、現代の古参OLに対して使われるようになったのは、1989年に放送された大原麗子出演のNHK大河ドラマ『春日局』がキッカケで、同年は流行語的に使われた』(出典:日本語俗語辞書)
そうなのか!お局とは、そんなに悪い意味でもなかったのですね!
それにしても、ここ最近、お局、というこの言葉、あまり使われなくなってきているように見受けられます。若い方だともしかしたら、この言葉の存在もご存知ないかもしれませんね。
廃れてきた理由としては、昔は女性が長く会社にとどまり幅を利かすこと自体、珍しかったために、「お局」というワードで目立ってしまっていたものが、女性の社会進出が進み、年齢を重ねた女性でもばりばり働けるのが当たり前となったためです。
今の時代、独身の女性という理由で、煙たがるのはあまりにナンセンスですからね。
では、社内にお局はもういなくなったのでしょうか?
いえいえ、そんなことはありません。
「お局」というワードは使われなくなっても、社歴が長く経験値の高い女子社員が、そうではない若い女子社員に比べて、周りから特別な目で見られるのは、まあ、普通にあることで、「お局」と言われないまでも、一線引いて付き合われる存在は普通に社内にいます。
そして!実を言えば、私も「お局」経験者です(笑)
先ほど辞書で引用させていただいた「指導的立場」のお局でした。
私が勤めていたのはIT企業で、業種がら若い社員が毎年たくさん入社してきました。
私の役目は、そうして入社してきた新卒のまだ社会人になりたての新入社員にビジネスマナーを教えることでした。
ビジネスの世界ではちょっとしたマナー違反がお客様の機嫌を損ね、会社全体の損失に繋がることも珍しくありませんから、教えるからには!と厳しく指導もしました。
そのため、教えられる側の新入社員の子の中には、私に対して苦手意識を持っていた子もいたかもしれません。
けれど、そこはそこ。教えるべきことは教える!注意するべきことは注意する!そう考えて、役割を務めてきました。
おかげで一部の子たちから「姐さん」と呼ばれるほど、恐れられてしまいましたが・・・・。
まあそんなわけで、ちょっと一目置かれて見られてしまったがために、思わぬ苦労をすることも。
ある年の新入社員にT君という子がいました。
IT企業ですので、プログラマー採用されて入社したこのT君、ちょいちょい言葉が過ぎることがあり・・・。
「山田さん、スカート、今日、短くないですか?」
(君!それはセクハラだろう!!)
と、びっくりするような発言もしばしば・・・。悪気はないのですが、お客様の前でそういうまずいことを言ってしまわないよう、普段からきつく注意をしていたのです。
しかし、そんなある日。
社員が皆、出払ってしまっていたとき、非常事態が発生しました。
仕事で使うExcelが、なんだかおかしい!
数値を入れれば自動的に処理ができていたものが、なぜかうんともすんとも言わない・・・。
この仕事の納期は今日中。絶対絶命です!
なんとかしなきゃ、と焦ったものの、なにがどうなっているのかさっぱりわからず困っていたとき、ふっと社内に残っている人がいることに気が付きました。
T君がいる!!
T君はプログラマーだし、パソコン操作の腕はピカイチ!
しかし、ここで私は躊躇しました。
私は普段から、T君に厳しく指導をしている立場です。「助けて~・・・」と言おうものなら、「え、山田さん、こんなのもできないんですか?」と言われそう・・・。
しかし、納期が迫っているのも事実。恥を忍んで私はT君に助けを求めました。
「T君。その・・・ちょっと教えてもらいたいことがあって・・・」
しろどもどろになりながら、助けを求めたところ、
「え、いいっすよ」
なんともあっさり快諾!
その後、T君のおかげで、Excelは無事息を吹き返しました。
ああ、良かった!!T君、なんて素敵な子!
君はヒーローだ!
と思ったのも束の間、去り際、T君がけろりとした顔で言いました。
「山田さんでも、できないこと、あるんですね~(悪気なし)」
くー!!!
その通りだ!まったくその通りだよ!
普段偉そうに教えてるからこそなんとも恥ずかしい(/ω\)
と、内心悶えつつ、「そ、そうだね、ごめんね、ありがとね」としか言えず・・・。
指導係として厳しく接していればいるほど、後輩に教えを乞うのはなかなかハードルが高いもののようです・・・。
できないことを、できる人に助けてもらうことは決してダメなことではありません。
できるふりをするより、「できないから教えて」と言う方が全然、前向きですからね。
しかし、自分が指導的立場に立っている場合、なかなか後輩や部下に助けを求めるのは勇気がいるものです。
しかもそれが、皆はできて自分だけができなかったりすると、結構肩身が狭いです。
「上に立つ人が、こんなパソコン操作も知らないなんて」と言われてしまうことも。
ではどうしたら良いか。
それは、「お局」と言われるような立場になる前に、やがてそういう立場になることも想定して、自分を高める努力を若いうちからしておくことです。
若いうちにきちんと知識を積み重ね、自分でできることを増やしておかないと、今回の私のように恥ずかしい思いをしてしまうこともあります。
大抵の方は、T君のように快く助けてはくれますが、それでも助けてもらっている間、その人の仕事を止めてしまうことにはなります。指導者として、誰かの仕事を邪魔するようなことを自分がしてしまうのは、褒められたことではありません。
それに、
「上に立つ人には、知識や技術があってほしい」
と、考えている部下や後輩は圧倒的多数ではないかと思われます。
だとしたら、尊敬される上司、先輩になるための努力は、必須になってくるでしょう。ついていきたくなる上司、先輩、とはやっぱり、困ったときに華麗に問題を解決してくれる、実力を持った人物でしょうから。
と、若いうちからの知識取得の重要性をお話しましたが、
「私はもう、結構いい歳だし・・・今から知識を学ぶのは難しい」
と、思われた方もいらっしゃったかも。
でも、そんな風に思われる必要は実はありません。
ようは「できる」ようにさえなればいいからです。
今できなくても、これからできるようになれば、なんの問題もありません。物事に「遅すぎる」ということはないからです。
年齢を重ねることで、若いときより期待も責任も多くなる「お局」世代。
期待も責任も大きいからこそ、やりがいもあるけれど、その分ストレスも多いのが実情です。
けれど、そのストレスをばねに変え、自分を変えていけるだけの経験を積んでいるのもまたお局の強みでもある!
お局としてやってきたからこそ、今はそう思うのです。
素敵なお局であるために、今一度、チャレンジしてみませんか?
【ライター:山田 ゆい】